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注目のコンサート|2021年1月

♩1/5,6 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ サン=サーンス 歌劇《サムソンとデリラ》

2020年4月に予定されていたが8ケ月延期して行われる公演。舞台付きでは取り上げにくい演目をセミ・ステージ形式で上演するシリーズ。日程が変わったため、指揮者がパリ生まれのジェレミー・ローレルに変更となった。近年活躍が目立つ彼の指揮でこのオペラが聴けることは楽しみ。ベテラン中心という印象のキャストだが、その安定感に期待したい。
演奏者同士がソーシャル・ディスタンシングを確保する必要性を考えると、無理に動きをつけずに、演奏会形式に近い形で演奏する方がよいのではないだろうか。1回1回の上演がコロナ禍での音楽活動のテストケースという側面があり、そのためのデータ収集でもある。無事に行われることを期待したい。
(指揮者は再度変更され、マキシム・パスカルに。昨年の《金閣寺》や12月の読売日本交響楽団での充実した内容から、おおいに期待される。)

1/5,6@Bunkamuraオーチャードホール
http://www.nikikai.net/lineup/samson_et_dalila2020/index.html

♩1/9 2台ピアノ協奏曲新春コンサート

いま旬の若手ピアニスト5人がソリストとオーケストラ・パートを交代しながら5つの協奏曲を演奏するという壮大な企画。それぞれのピアニストをソリストとして、アンサンブル奏者としての2つの視点から楽しめるお得なコンサートに早くも心躍る。

1/9@東京文化会館小ホール
https://primesartists.wixsite.com/supportartists

 

 

 

♩1/10 雅楽 ~現代舞踊との出会い

ロームシアター京都開館5周年記念事業シリーズ 「舞台芸術としての伝統芸能 Vol.4雅楽 ~現代舞踊との出会い」。伝統芸能の継承と創造を目指すシリーズ第4弾は古典・現代作品に意欲的に取り組む雅楽・伶楽舎と、りゅーとぴあ専属舞踊団Noism Company Niigataとその芸術監督金森穣氏をコラボレーターに迎えてのスペシャルコラボ。まさに古典と現代の遭遇が刺激的なステージになること間違いなし。必見だ。

1/10@ロームシアター京都 音楽舞踊メインホール
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/57875/

 

 

♩1/11ヴィンコ・グロボカール《表象の森を通りぬけ》

ヴィンコ・グロボカールの《表象の森を通りぬけ》、《KVADRAT》、そして宗像礼の委嘱新作が上演される。スウェーデンを拠点にCurious Chamber Playersを率い、ヨーロッパを中心に活動する作曲家である宗像は、委嘱新作のみならず、この演奏会の音楽監督も務めるという。
演劇的な要素でもって社会的現実にダイレクトに接近しようとするグロボカール作品の上演は、終わりの見えないコロナ禍においてどのように見えるだろうか。アクチュアリティーのある演奏会になることは間違いないだろう。

1/11@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://www.facebook.com/events/2637000239944279

 

 

♩1/11,15,18、19 コンポージアム2020 トーマス・アデス

2020年5月に予定されていたコンポージアム2020が年を越して1月に開催される。招待作曲家は「ブリテンの再来」とも言われた英国の作曲家トーマス・アデス。ピアニストとしても活躍する彼と、リーラ・ジョセフォウィッツによるデュオ・リサイタル、アデスの管弦楽作品個展、そして武満徹作曲賞本選演奏会と充実のシリーズである。コロナ禍の如何によってアデスらの来日が決定されるだろうが、世界が良い方向へと向かうのを祈りたい。

1/11,15,18,19@東京オペラシティコンサートホール、リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/compo/2020/

 

 

♩1/12 トッパンホール ニューイヤーコンサート2021

ホルンの名手A・アレグリーニを迎えてのスペシャルプコンサートの予定が、来日中止によりN響首席ホルンの福川伸陽に変更。日本の若手、中堅らとともにモーツァルト「ホルン五重奏曲」「ピアノと木管のための五重奏曲」にベートーヴェン「七重奏曲」をじっくり聴かせる。昨今、日本にもホルンの逸材が活躍めざましい。そんな明るい未来を描くにもってこいの一夜だ。
(A・アレグリーニ来日中止)

1/12@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202101121900.html

♩1/15、16 パーカッショニスト安江佐和子プロデュース
         「il Sole/ Y × S Crossing#04 ~杉山洋一 影響を受けた作曲家とともに~」

パーカッショニスト・安江佐和子がプロデュースするコンサートシリーズの第4回目。今回はシルヴァーノ・ブッソッティの作品を特集する。選曲は杉山洋一。現代美術家の原倫太郎のインスタレーション作品を皮切りに、常にジャンル横断的に多角的な表現を模索していたブッソッティの世界観が空間全体に広がっていく、そうした演奏会になるであろう。杉山洋一の委嘱初演も。

1/15,16@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://tocon-lab.com/event/20210115

 

 

 

 

♩1/16 東京佼成ウインドオーケストラ第152回定期演奏会

気鋭の指揮者・川瀬賢太郎が、アルノルト・シェーンベルクとクロード=ミシェル・シェーンベルクの二人のシェーンベルクを軸に、現代音楽とミュージカルの時空を駆け巡り、ウインドアンサンブルの醍醐味を発信する。様々な境界を越える演奏会となるのは間違いない。

1/16@東京芸術劇場
https://www.tkwo.jp/concert/subscription/152.html

 

 

 

 

♩1/16、17 NHK交響楽団1月公演 NHKホール

フランスとスペインをまたいで存在するバスク出身の指揮者ファンホ・メナがN響に2回目の登場である。曲目はピエルネ(フランス)、ファリャ(スペイン)、ヒナステラ(アルゼンチン)、ラヴェル(フランス)と、「ラテン」の作品が並ぶ。メナのラテンの血液がN響の日本の血液とどう化学反応を示すのか非常に興味深い。

1/16@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/20210116_2.html
1/17@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/20210117_2.html

 

 

♩1/17 バッハ・コレギウム・ジャパン 《エリアス》

メンデルスゾーンのオラトリオの傑作《エリアス》をオリジナル楽器の演奏で聴ける貴重なチャンス。19世紀なのに古楽器?と思われるかもしれないが、19世紀の管楽器はまだまだ演奏される機会が少ない。オリジナル楽器と声楽での演奏に定評のあるバッハ・コレギウム・ジャパンがメンデルスゾーンをどう演奏するのだろうか?

1/17@オペラシティコンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=13522

 

 

 

♩1/22 アンサンブル九条山コンサート Vol. 10 標ーSIGNE

京都を拠点に活躍するアンサンブル九条山が新たな挑戦を仕掛けてきた。「邦人作曲家特集」として、35歳以下の若い作曲家へ作品を公募、さらに芥川作曲賞など数多の受賞で注目される若手気鋭、坂田直樹への委嘱など、新しい世代が生み出す新作に焦点を当てる。そこにベテラン西村朗の作品を入れ、異なる世代の創造の場を構築。日本の作曲界の今を見る上で見逃せない公演となりそうだ。

1/22@京都府立府民ホール アルティ
http://ensemble-kujoyama.blogspot.com/

 

 

 

♩1/23 音楽詩劇「葵の上〜業のゆくえ〜」

奈良ゆみの歌う松平頼則のオペラ《源氏物語》に「日本独特なもの」を感じたという演出家の笈田ヨシ。彼女の歌と演技を想定して、同作のほか松平作品をもとに新たに音楽詩劇を構成、演出を手掛ける。ヴァイオリンと尺八、和洋双方の楽器を使って幅広く活動する亀井庸州の演奏と、詩人であり役者でもある山村雅治の語りという異色のコラボも見もの。奈良の演じる六条御息所がどのような「業」を表現するのか。大いに期待したい。

1/23@ザ・フェニックスホール
https://phoenixhall.jp/performance/2021/01/23/14127/

 

 

♩1/26 B→C中島裕康(箏)

箏のリサイタルにバッハと八橋検校の名前が並んでいるだけで壮観であるが、さらに細川俊夫、松村禎三、権代敦彦、そして山本和智と続けば、これは何か起こらざるべからず、と思わせられる。現代を生きる箏の姿をしっかと目と耳に焼き付けたい。

1/26@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=13530

 

 

 

 

♩1/27 アンサンブル・コンテンポラリーα定期公演「歪み、隔たり、ベートーヴェン」

ベートーヴェンにカーゲルをぶつけることで生じるであろう「歪み」と「隔たり」、そこに日本現代音楽界の精鋭たちが集うことで、さらに歪みと隔たりを大きくするのか、歪みと隔たりを打ち消すのか、新たな音楽的視座を期待したい
(3/26の振替公演)

1/27@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/#/list/all/2021/01/e/14152

 

 

 

♩1/27 イザベル・ファウスト(ヴァイオリン) トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(ホルン)& アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)<ホルン三重奏の夕べ>

ファウスト、ファン・デァ・ズヴァールト、メルニコフという各楽器の名手が集まり、演奏頻度が高いとはいえない、ホルン三重奏曲を聴かせてくれる。ブラームスはもちろん、リゲティも、彼らの優れた合奏力、多彩な音色で楽しませてくれるだろう。
来日演奏家によるコンサート、次第に増えてきているが来日ビザの関係で困難な点も多い。この日が、複数のアーティストが集まって演奏する室内楽の再開の第1歩となることを期待したい。

1/27@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2020/20210127.html

♩1/30、31 スティーヴン・イッサーリス室内楽プロジェクト

神奈川県立音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ Vol.30,31に登場はイッサーリス。〈ロシアの唄と舞曲と悲歌Ⅰ、Ⅱ〉と異なるプログラムでvn A・マーウッド、pfコニー・シーら気心知れたメンバーとデュオ、トリオを聴かせる。ロシアの近代レパートリーからショスタコーヴィチ、カバレフスキー、ラフマニノフ、J・イッサルリス、ロソフスキーとバラエティに富んだプログラム。新春を飾るロシアへの愛、その唄・舞曲・悲歌にしみじみ、うっとり、生き生きと、心豊かな1年のスタートを切ろう。

1/30,31@神奈川県立音楽堂
https://www.kanagawa-ongakudo.com/detail?id=36772