Menu

撮っておきの音楽家たち|ニュウニュウ=牛牛|林喜代種

ニュウニュウ=牛牛(ピアニスト)
張勝量(Zhang Shengliang)

2009年10月24日 サントリーホール
2009/10/24  Suntory Hall

2019年6月26日 浜離宮朝日ホール
2019/6/26   Hamarikyu  Asahi Hall

photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

衝撃のデビューから10年、21歳になったピアニストのニュウニュウ(牛牛)が5年振りにソロ・リサイタルを行なった。
1997年中国生まれ。6歳でデビューし、史上最年少8歳で上海音楽院に入学。その後ニューイングランド音楽院等を経て、2018年ジュリアード音楽院を卒業。10歳の時にEMIクラシックス(現ワーナークラシックス)と専属契約。2017年には新たに名門デッカと専属契約を結ぶ。2009年の初来日では東京のサントリーホールでのリサイタルのほかに、民放のテレビ番組にも出演して話題になった。11歳の少年ピアニストの無邪気な演奏スタイルが微笑ましかったが、演奏する音楽には大いに魅了された。今回もその素直な演奏に好感が持てたし技術的にも完璧だった。ただ、演奏中に時折見せるオーバーなアクションが気になった。まだまだ変貌を遂げるであろうピアニストとして期待を持って見守りたいと思う。
2018年9月にリリースされた移籍第一弾CD「ヴィルトゥオーゾ&ロマンティック・ピアノ作品集」は「レコード芸術」誌上で「かっての不器用な天才少年が・・・、器用だけでは済まないものを身に付けた俊秀ピアニストに育った」との評を得て特選盤に選ばれている。またNHK総合テレビで今年1月より第2シリーズの放送が始まった人気アニメ{ピアノの森}では主人公のライバルの一人として立ちはだかり、強烈な演奏をする中国人ピアニスト、パン・ウェイのピアノ演奏を担当している。
またこれまでに、チェコ・フィル、ロイヤル・リヴァプール・フィル、ワルシャワ国立フィル、上海交響楽団、佐渡裕指揮兵庫芸術文化センター管、などと共演している。今シーズンは読響との共演が予定されている。

(2019/7/15)