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撮っておきの音楽家たち|トン・コープマン|林喜代種

トン・コープマン(オルガン・チェンバロ奏者 指揮者)

2016年6月21日 ミューザ川崎シンフォニーホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

バロック音楽界の巨匠、トン・コープマンが6年振りに来日し、オルガンのコンサートを行った。J.S.バッハの作品を中心にブクステフーデ、スヴェーリング、ダカンの作品など13曲を演奏。オルガンの音がこのホールに響き渡った。
トン・コープマンはオランダ、ズヴォレに生まれる。アムステルダムでクラシック音楽教育を受け、オルガンとチェンバロ、音楽学を学び、両方の楽器で優秀賞を得ている。古楽器に魅了され、文献学的な演奏方法に惹かれたコープマンは特にJ.S.バッハを中心としたバロック音楽を専門に研究するようになり、真正な演奏の第一人者と呼ばれるようになる。 1979年にアムステルダム・バロック管弦楽団を創設、1992年にアムステルダム・バロック合唱団を併設。アムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団は最も優れた古楽アンサンブルとして世界的な名声を得ている。アムステルダムはもちろん世界の主要都市で公演を行っている。
そしてコープマンのチェンバロ・指揮でアムステルダム・バロック管弦楽団はことし10月に16年振りに来日公演を行う予定。演奏曲目はオール・バッハ・プログラム。最近では、客演指揮者として世界の一流オーケストラに招かれることが多い。コープマンの意欲作であるJ.S.バッハ・カンタータ全集は1994年から2005年にかけてレコーディングされた。これは数多くの賞を受賞している。メガネの奥の大きな眼は人なつこさと良き人柄を表わしている。演奏前の腹ごしらえの穏やかな様子も演奏にはいると厳しい表情の眼つきになるのも印象的である。

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