撮っておきの音楽家たち|エイドリアン・ラ・マルカ|林喜代種

エイドリアン・ラ・マルカ(ヴィオラ奏者)

2016年2月26日 武蔵野市民文化会館
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

フランス・パリからヴィオラの概念を変える奏者ともいわれているエイドリアン・ラ・マルカが初来日し、数回の演奏会を行った。1989年生まれ。2005年にパリのコンセルヴァトワールに入学。同年フランス・ヴィオラ・コンペティションで優勝する。その後数多くのコンクールに出場し輝かしい結果を出している。特にエイドリアン・ラ・マルカは、全ての楽器を対象とする「アヴァン・セーヌ」コンクールで初めて優勝したヴィオラ奏者となった。演奏はコンサートホールだけでなく、オルセー美術館、ロンドンのナショナルポートレート・ギャラリーなどでもリサイタルを行っている。

ラ・フォル・ジュルネ(ナント)、エクサン=プロヴァンス、ストラスブールなど多くの音楽祭に参加。イブラギモヴァ、ルノー・カプソン、フランク・ブラレイらと室内楽で共演。2010年3月にはギドン・クレーメルによって選ばれ「世界をつなぐ室内楽」に参加。クレーメルのほかアンドラーシュ・シフ、ユーリ・バシュメットらとも共演している。また小澤征爾のミュージック・アカデミーに招かれる。ここで小澤征爾、パメラ・フランク、今井信子らから学び、共演の機会を得る。いま最も注目されている期待のヴィオラの俊英である。

演奏曲目はフランク・ブリッジの「沈思せる人」、加藤昌則の新作「未在の庭」=世界初演、レベッカ・クラークの「ヴィオラ・ソナタ」、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」より4曲、シューベルトの「アルぺジョーネ・ソナタ」を演奏。ピアノは山本貴志。ヴィオラ独自の伸びやかさ、豊かな多彩な音色で聴衆を魅了した東京デビューリサイタル。

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