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撮っておきの音楽家たち|アレキサンダー・マルコフ|林喜代種

アレキサンダー・マルコフ(ヴァイオリン奏者)

2015年10月19日 武蔵野市民文化会館小
text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

日本ではまだ無名に近い存在であるが、これまでに共演してきた指揮者や演奏家たちからはその音楽的才能をかけ値なしに賞賛されている。このリサイタルでも持ち味を如何なく発揮した。1963年にロシアのモスクワに生まれる。父のアルベルト・マルコフは名ヴァイオリニストである。8歳でデビュー。1982年両親と共にアメリカ・ニューヨークに移住する。1983年にはカーネギーホールでリサイタル・デビューする。パガニーニ国際コンクールで優勝。当日は無伴奏リサイタルであった。J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」、パガニーニの「24のカプリースより第1,11,6,16,20、24番」 の6 曲を演奏する。他にシューベルトの「エレンの歌Ⅲ」(アヴェ・マリア)。特にカプリースの「第24番」は聴衆のド胆を抜く超絶技巧を披露をし沸かせた。またパガニーニの肖像に似ていなくもないが、いま流行りとは思えない長髪で登場。聞くところによると、エレキ・ヴァイオリンをも弾きこなし、ロック奏者並みのパフォーマンスもやるらしい。とにかく音楽性豊かなテクニックとパワーで聴衆を魅了するヴァイオリン奏者である。今後の活躍に注目したい。

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