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撮っておきの音楽家たち|ヘルベルト・ブロムシュテット|林喜代種

ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮者)

2015年9月16日 NHK交響楽団定期演奏会 サントリーホール
text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

N響の9月の定期に名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットが登場。ベートーヴェンの交響曲を指揮した。1927年アメリカ生まれであるが、2歳から両親の祖国であるスウェーデンで育つ。今年88歳である。ストックホルム王立音楽院及びウプサラ大学で音楽を学ぶ。ジュリアード音楽院で指揮法を、バーゼル音楽院で古楽を学ぶ。指揮法ではマルケヴィチ、バーンスタインにも学ぶ。1973年ドレスデン国立歌劇場管弦楽団に同行して初来日。1975年同楽団の首席指揮者に就任。積極的なレコーディングでその名を知られるようになった。ブロムシュテットの記念碑的なカール・ニールセンの交響曲全曲が1970年前半に録音されている。1985年に同楽団を辞し、同年サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任。この時から音楽が大きく変わったという。強い意志と実現のための厳しさを前面に出して魅了するタイプの指揮者に変わった。1995年まで続くサンフランシスコ時代だと言われている。その後、北ドイツ放送交響楽団を経て、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に2005年まで務める。N響とは1981年に初共演し、86年から名誉指揮者の称号を受けている。ベートーヴェン・プロも2010年以来5年ぶりの演奏。88歳とは思えないエネルギーと深い味わいに満ちた演奏を披露した。

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