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撮っておきの音楽家たち|ワディム・レーピン|林喜代種

ワディム・レーピン(ヴァイオリン奏者)

2016年6月17日・18日 サントリーホール
6月22日 東京オペラシティ コンサートホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

ヴァイオリニストのワディム・レーピンが2014年に創設した「トランス=シベリア芸術祭」が今年日本で初開催された。これはシベリアのノヴォシビルスクで一昨年創設されたもので、音楽、ダンス、美術など多ジャンルの芸術が集うものであるが、今回の日本開催は舞台公演だけである。3日間行われたが、全てにレーピンが出演した。初日は世界的バレエダンサーで妻のスベトラーナ・ザハーロワとレーピンの初共演が話題になった。2日目は日本のヴァイオリニストの諏訪内晶子、田中杏菜、チェロのミッシャー・マイスキー、ピアノのニコライ・ルガンスキー、ヴィオラのアンドレイ・グリチュクによる珠玉の室内楽、3日目はレーピンとマイスキ―による協奏曲の夕べ。各日とも大きな盛り上がりを見せた。
ワディム・レーピンは1971年シベリアのノボシビルスに生まれる。45歳。5歳でヴァイオリンを始める。11歳でヴィエニャフスキーコンクールに優勝し、モスクワとサンクトぺテルブルクでリサイタル。1985年14歳の時に、東京、ミュンヘン、ベルリン、翌年カーネギーホールにデビュー。17歳の時にエリザベート王妃国際コンクール優勝。以後ベルリン・フィル、ボストン響、シカゴ響、イスラエル・フィル、ロンドン響、パリ管など世界有数のオーケストラと共演。室内楽でもルガンスキ―、アルゲリッチ、キーシン、クニャ―ゼフ等と共演している。この「トランス=シベリア芸術祭」ではレーピンの多彩な面を垣間見ることができた。楽屋で妻のザハ―ロワがレーピンの服の襟元を直すのを為すがままに受け入れる様子は微笑ましかった。

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