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撮っておきの音楽家たち|ヘスス・ロペス・コボス|林喜代種

ヘスス・ロペス・コボス(指揮者)

2017118日 サントリーホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

スペインの巨匠ヘスス・ロペス・コボスが1月の定期公演のNHK交響楽団に登場。レスピーギの3曲を指揮した。N響との初共演は2014年。
ウィーン・フィルの女性コンサート・マスターのアルベナ・ダナイローヴァのソロで、「グレゴリオ風の協奏曲」を、後の2曲は「教会のステンドグラス」、交響詩「ローマの祭り」である。「ローマの祭り」を除いて、「グレゴリオ風の協奏曲」と「教会のステンドグラス」は初めて聴くという音楽マニアの人もいた。
ヘスス・ロペス・コボスの指揮は決して感情的にならず、説得力のある落ち着いた音楽を繰り広げた。それはヘスス・ロペス・コボスの人間性そのままに人を安心させるものを持っている。またレスピーギ夫人とも知り合いという。
1940年2月25日、スペインのトーロに生まれる。マドリードのコンプルテンセ大学で哲学を修めた後、同地の音楽院でピアノと作曲を学ぶ。その後ウィーンでハンス・スワロフスキーとカール・エスターライヒャに指揮法を学ぶ。
1968年ブザンソン国際指揮者コンクールで第1位になり、プラハで指揮者デビュー。1970年ヴェネチアのフェニーチェ座でオペラ指揮者としてデビュー。1980年ロンドン・フィルと初来日。1981年から1990年までベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督。1984〜1988年までスペイン国立管弦楽団の音楽監督。近現代のスペイン作曲家たちの作品解釈に新しい光を当てる。1990年から2000年までローザンヌ室内管の音楽監督兼首席指揮者を務める。
ヘスス・ロペス・コボスが日本で最も記憶されているのは、今から30年前の1987年のベルリン・ドイツ・オペラの日本初演であるワーグナーの「ニーベルングの指輪」の4部作を1人で素晴らしく指揮したことである。そして2016年9月二期会オペラ「トリスタンとイゾルデ」も忘れ難いものがある。「音楽に身を委ねておれば、オペラやストーリーを知らなくても素晴らしい経験ができます」と語っている。