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撮っておきの音楽家たち|ミシェル・ベロフ|林喜代種

ミシェル・ベロフ(ピアニスト・教育家)

2016年3月17日 すみだトリフォニーホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

1950年フランス生まれ。1966年パリ国立高等音楽院を卒業。翌年17歳の時に第1回オリビエ・メシアン国際ピアノ・コンクールで優勝する。以来若い時からメシアンと交流し、メシアンの音楽の最も優れた解釈者のひとりとして知られている。その後数年間は世界的に最も著名なオーケストラと演奏会を行う。シノーポリ、アバド、バレンボイム、バーンスタイン、ブーレーズ、デュトワ等の指揮者と、室内楽奏者ではアルゲリッチ、ヘンドリックス、デュメイ、リン・ハレル等と共演している。

19歳で録音したメシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」は高く評価されている。数多くの近現代作品を得意としているが、特にフランスものの解釈には定評がある。
今回のリサイタルでもフォーレの「ノクターン」に始まり、ラヴェルの「水の戯れ」、「亡き王女の為のパヴァーヌ」、ドビュッシーの「子供の領分」、フランク、そしてメシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」から2曲とオール・フランス音楽作品を演奏。円熟期にあるベロフの演奏は十分に期待どおりの演奏だった。

また教育者として母校のパリ国立高等音楽院の教授を長らく務めており、フランス音楽の核心を継承する指導者として重要な地位にある。昨年門下のチョ・ソンジンがショパン国際ピアノ・コンクールで優勝し話題になった。また2006年には NHK の「スーパーピアノレッ スン」シリーズで「フランス音楽の光彩」と題した講座を担当し、多方面から注目された。2015年には第15回チャイコフスキー国際コンクールの審査員を務める。録音も多数ある。

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